非ステロイド性免疫抑制外用薬/プロトピック軟膏

アトピー性皮膚炎は、再発を繰り返す慢性的な皮膚疾患です。

 

軽症例も含めると、1〜2歳児の10%が発症するといわれています。

 

しかし、年齢が上がるにつれて軽快し、
治癒することが多いです。

 

しかし、成人になるまでの間に徐々に悪化し、
重症化してしまったり、
いったん軽快したものの思春期の頃に再発し、
重症化することもあります。

 

そして、アトピー性皮膚炎の症状の経過には、
大きな個人差があります。

 

近年、喘息や鼻炎の患者さんが増えていますが、
同時にアトピー性皮膚炎の患者さんも増加傾向にあり、
特に大人になってからアトピー性皮膚炎になる人が多くなっています。

 

しかも、「難治性の赤ら顔」と呼ばれるように、
顔が赤く腫れ上がるという症状が出る場合が多くあります。

 

昔から、成人期の発疹は、乳幼児の頃の発疹に比べると、
治りにくいということが知られています。

 

難治性の赤ら顔は、ステロイド外用薬でもあまり効果が見られず、
いったん治ったかのようにみえても、
またすぐに再発してしまいます。

 

強いランクのステロイド剤を使えば、
ある程度のコントロールはできますが、
皮膚が薄い顔に強いランクのステロイド剤を長期間使うことは避けたいものです。

 

このように、困ったことになってしまうアトピー性皮膚炎の治療に、
長期間外用しても副作用が少なく、
しかもステロイド外用薬とおなじような効果が得られる薬の開発が
待たれていました。

 

そのようなとき、プロトピックという薬に注目が集まりました。

 

プロトピックは、肝移植や骨髄移植、腎移植などのときに、
拒絶反応が起きるのを抑えるために日本で開発され、
既に市販されて移植の際の治療に用いられているものです。

 

つまり、プロトピックという薬は、
とても強力な免疫抑制薬(FK-506)です。

 

そして、このプロトピックを塗り薬として、
開発できないかという試みがされました。

 

ステロイド剤に比べ、
皮膚への吸収がされにくいという特徴があるプロトピックですが、
軟膏としての開発に成功し、臨床試験が行われました。

 

臨床試験では、アトピー性皮膚炎に対し、
有効性が高いことが分かりました。

 

このように、顔など皮膚の薄い部分にも使うことができる
アトピー性皮膚炎の薬が開発されたのです。

プロトピック軟膏の効果

プロトピックは、ステロイド薬と同じように、
いろいろな炎症細胞の活性化を抑えることができます。

 

特に、アレルギー性炎症に影響するT細胞の活性化を
強力に抑制することができるので、
強い免疫抑制作用が期待できます。

 

ただし、ステロイドに認められる皮膚へのホルモン作用がないので、
毛細血管を拡張させたり、皮膚が萎縮してしまうというような
副作用はありません。

 

ステロイド薬だと、このような副作用が出てしまいますが、
この点がステロイドとプロトピックは大きく異ります。

 

そして、プロトピックは、
特に顔や首の発疹に良く効く薬として注目されています。