ステロイドの副作用

ステロイドとは、副腎皮質ステロイドのことで、
ステロイド薬とは、副腎皮質ホルモンと同じような働きをする薬です。

 

ホルモンは、体の中を常に循環し、
さまざまな臓器や細胞に働きかけ、その機能を調節しています。

 

つまり、ステロイド薬は、ホルモン作用があるので、
大量に使ったり、長期間使うなどすると、
全身的な影響が起きてくることがあります。

 

その影響が良いものであれば「効用」ですが、
悪いものでは「副作用」となってしまいます。

 

<ステロイドの塗り薬(外用薬)による副作用>

 

ステロイドの塗り薬、つまり外用薬では、
使用した皮膚局所に対して副作用が起きることがあります。

 

ステロイド薬の外用薬によっておきる副作用には、
ホルモンとして直接皮膚に影響する副作用と、
炎症や免疫を抑えるためにおきる感染症の副作用があります。

 

ホルモンとして直接皮膚に影響する主な副作用としては、
「薬を塗った部分の毛が濃くなる」、「皮膚が赤くなる」、
「毛細血管が拡張する」、「皮膚が萎縮して薄くなる」、
顔に使用した場合は「ニキビができる」などがあります。

 

また、人によっては「かぶれる」こともあります。

 

ステロイドの使用で、肌が黒くなるので、
顔には塗りたくないという人もいます。
ですが、ステロイドは皮膚の色素産生を抑える働きがあるので、
肌の色は白くなります。

 

アトピー性皮膚炎は、皮膚の炎症が起きている状態です。
ですから、日焼けをしたとき、日焼け後の炎症が治ると
色素沈着がおきるように、
アトピー性皮膚炎の症状が治まると、色素沈着が起こります。

 

この色素沈着を、ステロイドの副作用と誤解されています。

 

炎症や免疫を抑えるためにおきる感染症の副作用には、
?いてしまってジュクジュクした部分に塗ると、
「細菌感染症が悪化する」、「水虫が悪化する」、「ヘルペス感染症が悪化する」、
「水イボが増える」などがあります。

 

このような副作用は、
ステロイド外用薬を使用した人全てに起きるわけではなく、
一部の人に起きるもので、
一ヶ月以内の使用であれば、ほとんど起こりません。

 

実際に、アトピー性皮膚炎の炎症症状が肘のくぼみや、
膝のくぼみに起きている人が、
7〜8年間、この部分に頻繁にステロイドを塗っていても、
血管の拡張や皮膚の萎縮が起きているのは、5人に1人程度で、
他の副作用はずっと軽い頻度です。

 

症状が治まれば塗るのをやめ、
また症状が悪化したら塗るというように、
間欠的にステロイド薬を使うので、長期間にわたって使っても、
この程度の副作用です。

 

もし、血管の拡張や皮膚の萎縮が起きたとしても、
アトピー性皮膚炎の症状が治まり、
ステロイドを塗らなくなれば、皮膚局所におきた副作用は
徐々に回復します。

 

喘息や鼻炎の治療に対しても、
吸入薬や点鼻薬のステロイド剤を使用する患者さんがいます。
これらの薬に関しても、局所的な副作用が起きると考えられますが、
見えにくい部分ですから、具体的な症状はあまり分かっていないようです。

ステロイドの飲み薬(内服薬)や注射薬による全身的な副作用

ステロイドの内服薬や注射薬では、全身的な副作用が起きることがあります。

 

軽い副作用

 

軽い副作用としては、満月的顔貌、肥満傾向、多毛、皮膚の萎縮、
月経異常などがあります。

 

「軽い」といっても、患者さんによっては、
その副作用に思い悩む人もいます。

 

あくまでも「重い副作用に比べて軽い」ということですが、
やはり症状が出れば気になりますし、悩んでしまうものです。

 

ですが、薬の服用をやめると、
比較的すぐにその症状が治まるのが「軽い副作用」です。

 

必要以上に心配しないように、医師と相談しながら
治療を続けてください。

 

アトピー性皮膚炎の症状が良くなれば、ランクを弱いものに変えることもできますし、
薬をやめることもできます。

 

・満月様顔貌

 

英語では、ムーンフェイスといいます。

 

顔が満月のように丸くなる症状です。

 

・肥満

 

食欲が増進するので、肥満になりやすくなります。

 

・そのほか

 

多毛やニキビ、皮膚が萎縮して薄くなる、
女性では月経異常が起きることがあります。

 

 

重い副作用

 

飲み薬や注射薬は、血液を介して全身的に作用します。

 

ですから、ステロイド薬の効用も得られやすいのですが、
副作用が出てしまうことが少なくありません。

 

重い副作用としては、白内障や緑内障などの眼の病気、
筋肉の脱力、消化管潰瘍(胃潰瘍や十二指腸潰瘍)、
糖尿病、骨がもろくなる骨粗鬆症、高血圧、
大腿骨の骨頭が壊死する無菌性骨頭壊死、
副腎の機能が著しく低下する急性副腎不全、
血液が固まりやすくなる血栓症などがあります。

 

また、ステロイド薬は免疫を抑制する作用もあるので、
ステロイドを使用することにより、
体の免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなることがあります。

 

さらに、脳の働きとホルモン分泌には深いかかわりがあるため、
うつ病や不眠など、精神的な症状が現れることもあります。

 

このようなステロイド剤による副作用は、
全ての患者さんに起こるのではなく、
一部の患者さんに見られる症状です。

 

ステロイドを使用すると、
このような副作用が起きる可能性があることが分かっているので、
使用の前には、あらかじめ「糖尿病」や「高血圧」などが
副作用として現れる可能性がある病気がないかどうかを
きちんと検査をし、もし病気が見つかれば、
ステロイド薬とその病気の治療を併せて行います。