ステロイド外用薬の使用方法

ステロイド外用薬には、いろいろ使用方法があります。

 

一般的に行われている方法は、「単純塗擦法」、
「密封療法」、「亜鉛華軟膏重層貼布法」の3つです。

 

(1) 単純塗擦法

 

単純塗擦法は、軟膏を人差し指にとって、
患部に塗りこむ方法です。

 

大人の場合、皮膚全体を頭の先から足の先まで覆うのに
必要な軟膏の量は、30グラムほどです。
もちろん個人差がありますが、
体全体に満遍なく塗るには、5グラムチューブでは、
一回に6本必要です。

 

また、満遍なく、左右上肢の両腕全体に塗る場合は、
18%の表面積で計算するので、
おおよそ5.4グラム(30グラム×18%)で、
チューブ一本分です。

 

 軟膏の量の目安

 

頭から首: 2.7g

 

背中から腰: 5.4g

 

両腕: 5.4g

 

腹・胸: 5.4g

 

両下肢: 10.8g

 

 

このような目安がありますが、もっと薄く延ばせば、
全身の場合で、30グラムの半分、15グラムほどで何とか皮膚を覆うことができます。

 

効果のことを考えると、適正量で塗ったほうが良いのは当然です。

 

よく、ステロイド外用薬を処方され、
それを着けているけれど、少しも良くならないといって
受診する患者さんがいます。

 

このような時、どのくらいの量を塗っているのかを聞いてみると、
全身に発疹があっても、一日に0.5グラムしか使っていないなどが
多くあります。

 

この量では、軟膏が効くはずがありません。

 

軟膏は、きちんと塗らなければ効果を発揮できませんし、
意味がないものになってしまいます。

 

一方、すごく痒いからといって、
たっぷり塗りすぎている患者さんもいます。

 

お薬は適切量を塗って欲しいものですから、
看護師や医師に塗っている量を確認すると良いでしょう。

 

擦りこむようにぬると、
皮膚に刺激を与えてしまうので良くないこと、
適量を薄く延ばしながら塗ること、
軟膏であれば、テカテカする程度、
クリームであれば白い色が消えるくらいに塗ると良いなど、
具体的に塗り方を示してもらうと分かりやすいです。

 

外来で、一度、看護師などに塗ってもらうと、分かりやすいとおもいます。

 

また、自分の判断で、薬を塗ることを辞めないようにしてくださいね。

 

ステロイドのランクを弱くしたり、
保湿剤だけにするなど、アトピー性皮膚炎は、段階を踏んで治療していくことが必要です。

 

(2) 密封療法

 

密封療法は、ステロイド軟膏を患部に単純塗擦し、
その上からサランラップで覆って絆創膏でとめる、
つまり密封する方法です。

 

このような密封療法を、ODT療法
(occlusive dressing Technique療法)といいます。

 

サランラップで薬を塗った患部を覆うことによって、
汗で皮膚が潤い、軟膏を患部にずっととどめておくことができます。

 

ステロイド軟膏が皮膚へ吸収される量も増え、
短期間で病変を治癒させることができるといわれています。

 

 

(3) 亜鉛華軟膏重層貼布法

 

亜鉛華軟膏重層貼布法とは、
単純塗擦法だけではなかなか改善が見られない
ゴワゴワして硬くなってしまった皮膚や、
引っかきすぎて?破し、
ジュクジュクしてしまった患部に使うことが多い治療法です。

 

ステロイド軟膏と亜鉛華軟膏(サトウザルベ)の
二つの軟膏の長所を組み合わせた治療法ですから、
高い効果が期待できます。

 

亜鉛華軟膏重層貼布法のやり方

 

@ ステロイド軟膏を単純塗擦します。

 

A 数枚重ねたガーゼやリント布に亜鉛華軟膏を1〜2ミリの厚さに
 ヘラなどで塗り、ステロイド軟膏単純塗擦した上から、
 亜鉛華を縫ったガーゼやリント布で覆います。

 

B 絆創膏で止め、包帯で覆います。

 

このように亜鉛華軟膏重層貼布法を行うことで、
ステロイド軟膏が患部にしっかり浸透するようになります。

 

そして、亜鉛華軟膏が、浸出液を吸収してくれます。

 

さらに、患部がリント布で覆われるので、
患部を直接引っかいてしまうことも避けることができます。

 

軟膏は、オリーブオイルを湿らせたコットンで拭い取るようにしてきれいにします。